鮭になっちゃうよ
高橋家の末っ子、と言っても長男ですが、超がつく偏食くんでとても苦労しています。
嘘です。すいません。特に苦労はしていません。なぜなら、諦めたからです。
野菜や何やらを食べさせることを、諦めました。何をしたって食べないものは食べない。
そのうち食べる日も来ると思います。それまで気長に待ちましょう。
その末吉くんですが、おにぎりといえば鮭しか食べません。しかも、小さく握った、
どんぐり飴くらいの大きさにしたものでないと、文句をいいます。何様のつもりでしょう。
毎日毎日鮭(鮭フレーク)のおにぎりばかり食べているので、ある日私は言いました。
「そんなに鮭ばっかり食べてると、鮭になっちゃうよ。そしたら海に還らないといけんね」
「海に行ったら、もうママたちと会えなくなっちゃうね」
末吉くんはそれをきいて本当に焦ったんだと思いますが
それから毎日「ねえ、ぼくしゃけになっちゃうの?」「海にいくの?」
「パパとママとねえねに会えなくなっちゃうの?」
と聞いてきます。毎日です。しまった。変なこと言うんじゃなかった。
子供のころ、親から何気なく言われたこと。この年齢になっても未だに覚えているもんです。
もちろんなぜそんなことを言ったか、その意図くらいはわかるようになったけれども
それでもやっぱり、ちょこっとついた傷はいつまでも残っていて
ふとした瞬間に、痛痒くなったりするから不思議です。
鮭になったら、ママが釣ってあげるよ。そしたらまた一緒だね。
というと
「どうやって釣るの?」「海に行って釣るの?」「お船に乗るの?」「鮭は何を食べるの?」
OKOK。さみしさが逸れてくれたようでOK。将来ノルウェーで鮭漁師になってくれたまえ。
それではまた。
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